お彼岸とは、到彼岸を省略した言葉で、彼の岸へ到るという意味です。
彼の岸とは、お浄土です。
私は、お彼岸の中日は、お寺からクルマで20分ほどの角島大橋へ、子ども達を連れて夕日を観に行きました。
中国のお坊さま、道綽禅師(どうしゃくぜんじ)(562〜645)というお方は、
『安楽集(あんらくしゅう)』というお書物に
「日の出づる処を生と名づけ、没する処を死と名づく」と記されています。
東からのぼる太陽を人生のはじまり、西に沈む太陽は人生の終焉と、先人たちは受け止めたのです。
『仏説阿弥陀経(ぶっせつあみだきょう)』には、
爾時仏告(にじぶつご) 長老舎利弗(ちょうろうしゃりほつ) 従是西方(じゅぜせいほう) 過十万億仏土(かじゅうまんのくぶつど) 有世界(うせかい) 名曰極楽(みょうわつごくらく) 号阿弥陀(ごうあみだ) 今現在説法(こんげんざいせっぽう)
これより西方に、十万億の仏土を過ぎて世界あり、名づけて極楽といふ。その土に仏増します、阿弥陀と号す。いま現にましまして法を説きたまふ。
と、ございます。遠いけど、近い。
今ここに南無阿弥陀仏と届いてくださっています。
お彼岸は、真東から太陽がのぼり、真西へ太陽が沈む。
亡き方を、お浄土を想い、私も必ず通らねばならない「私自身の死」、そして今生かされていることを考えさせられる。
お浄土は、決して真っ暗なところではなく、光り輝くところ。
懐かしい方が待っていてくださるところ。
ゆったり夕日を眺めるのも良いものです。
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